Monthly Selection9月にお届けするワイン
THOMAS BOUTIN
トマ ブタン
Charabia, Vin de France
シャビラ 2019
父は球根の卸を、母は会計事務の仕事とワインとは全く関係ない家系であったトマは、いつからかワイン造りに興味を持つようになる。
栽培醸造学を修めた後、アメリカを含む各地で栽培・醸造の経験を積みロワール地方のアンジュに戻る。
2008年、80アールしかない、シュナンブランの畑から、トマのワイン造りが始まった。
彼が手に入れた畑は、ロワール河を挟んで、サヴニエールを望む高台の斜面上にあるロッシュフォール村にあり、東北東向きの斜面に広がる畑。
近所のグザヴィエ・カイヨからはSO2を極力使用しない野生酵母によるワイン造りを、そしてクリストフ・ダヴィオからは有機栽培を学んだ。
彼がワイン造りにおいて最も重要視していることは、収穫したブドウと果汁の状態を尊重すること。
ワインを通して何かを伝え、語りかけるもの、だという。
Charabia, Vin de France シャビラ 2019
ぶどう品種:シャルドネ80%、シュナン20% 砂岩を含んだシスト土壌。
即圧搾後野生酵母の働きで発酵、発酵最中にブレンド、乳酸発酵を実施。11か月間タンクで澱と共に熟成。瓶詰め時にSo2を僅かに添加する。
淡いイエローの色調、濁りはなく輝いている。白い花、白桃や洋ナシなどの果実風味がとてもしっかり感じられ、とてもフルーティな香り。
口当たりは生き生きとフレッシュで、心地よい酸がある。果実味に加えてミネラル感がしっかりとあるので、決してダレルことはない。
余韻も長く、ちょっぴりした苦みがいいアクセントなっている。
少し黄色を帯びた色合いで、リンゴ的な酸、白い花、ハチミツのような香り。小海老、フルーツ、アボカドなどを使ったサラダ、酢を使った料理、
お寿司、タルトタタンのような、リンゴのデザートにも◎
THOMAS BOUTIN
トマ ブタン
La Quiette, Vin de France
ラ キエット 2019
La Quiette, Vin de France ラ キエット 2019
ぶどう品種:ガメイ55%、カベルネ・フラン35%、グロロ10% 石英を多く含んだ黒いシスト土壌。収量25hl/ha。
1995-96年に掛けてビオ栽培に転換した区画のブドウを、品種ごとに全房で8日間発酵、9か月ファイバータンクで熟成させ翌春にブレンドされる。
ノンフィルター。瓶詰め時にSO2僅かに添加。 ワイン名は、『小さなボトル』という意味で、軽やかで飲み易いワインの事を表している。
ブラックチェリーとラズベリーなどの豊かな果実味が特徴のヴィンテージ。2018年よりも還元性が低く、軽くてなめらかそして酸味が穏やか。
2019年の Quilletteは、春に非常に壊れやすかったので、So2の総量は42mg / l。ワインの品質とバランスを保つために必要に応じて施した。
LUC BAUER
リュック ボエ
Chardonnay, Le Grangeon Mano, Vin de France
シャルドネ ル グラジュオン マノ 2018
2011年、リュック ボエは、他の造り手の栽培の仕事を請け負いながら、自身のワインを初めてリリースした。
リュクが所有する畑は、足に力を込めて登らないと上がれないような急峻な斜面。
バジョシアン紀の岩盤の重さで、その下層に構成されている、石灰層や粘土層から、弾き出さて堆積した石がびっしりと2mも積もった畑。
晴天時には、照りつける太陽が35℃以上の暑さをもたらす。働く上では厳しい条件の畑ではあるが、ビオ、ビオディナミを実践し、
『他の生産地にはない類稀な味わいのワイン』を造っている。
サボワ地方の伝統白ワイン品種である『アルテス(ルーセット)』は、栽培にとても手間が掛り、赤ワイン品種『モンドゥーズ』は晩熟で、
収量を40ha/hl以下に抑えないと良いワインができない。
リュックのワインを飲むと、その味わいに『テロワール』+『人』をとても感じる。
Chardonnay, le Grangeon Mano, Vin de France シャルドネ ル グランジェオン マノ 2018
ぶどう品種:シャルドネ 2015年に手に入れた斜度20-35度、南南西向き急斜面、灰色泥炭土の下層土に石灰の小石が沢山転がる畑。
新品のアンフォラ、ドゥミミュイ(600㍑の樽)、古樽にて醸造後6ヶ月タンク熟成。瓶詰時に1g/HLと僅かにSO2添加。瓶詰20/8/20、1500本のみの生産。
DOMAINE DE LA PETITE SOEUR
ドメーヌ ドゥ ラ プティット スール
Kumu, Vin de France
クミュ 2019
ロワール地方で自然派の動きが一番活発な地域アンジュに、期待の新星が登場!その名は『アドリアン ド メロ!』
アドリアンは、カナダのケベックでのワイン造りを皮切りに、フランスに帰国後、シャトーヌフ デュ パプのドメーヌ デュセニュール、
フィリップ パカレ、その後、再度アメリカとケベックでワイン造りの経験を積んだ。
特にブルゴーニュ地方の『フィリップ パカレ』での経験は大きかったようで、その時『ワインとは何である』を理解した。
2015年、レイヨン川を見下ろす南向きの高台にある 3.2haのブドウ畑を譲り受け、ようやくアドリアンのワイン造りが始まった。
彼の畑はシスト(片麻岩)土壌の南向き高台に位置しており、昔から有機栽培されている高条件に恵まれている。
テロワールを映し出し、『ピュアな果実味を最大限表現するワインを生み出したい!』という、アドリアンのこれからが本当に楽しみだ!
Kumu, Vin de France クミュ 2019
ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
久しぶりにとても良い収獲が出来た年!シスト土壌に植わる樹齢45年のビオディナミで栽培された自社ブドウ。
全房を搾汁した果汁と一緒に発酵させ、7か月タンクにて熟成。清澄もフィルターにも掛けず、SO2も一切添加せず瓶詰め。
キュヴェ名の”クム”とは、アフリカのバンバラ族の言葉でで発酵を意味し、果実が発酵により魂を授かり、
人がそのワインを飲むと、魂が高みに舞い上がることを示しているそうだ。
淡いルビー色。チャーミングなイチゴの果実味に満ちている!