Monthly SelectionSelections Dec 2024
Chateau Yvonne
シャトー イヴォンヌ
Saumur Champigny “La Folie”
ソミュール シャンピニ ラ フォリ
シャトー・イヴォンヌは、ロワール地方ソーミュールの歴史的な畑を持つセラーで、
クロ・ルジャール夫人フランソワーズ・フコーによる10年にわたるビオディナミ再生の努力で復活しました。
彼女は自然治癒力を重視し、古木の保存や収量制限、マッサルセレクションを実施。これを引き継いだマチュー・ヴァレは、
環境に配慮した栽培と遅霜対策を行い、よりピュアで土地の個性を表現するワイン造りを目指しています。
シャトーは17世紀にシトー派僧侶によって開拓され、第1次世界大戦で一時消滅後、1817年に復興。
30以上の区画を持ち、石灰粘土質土壌やトゥーフォの母岩が葡萄を守る。
栽培は自然派農法を徹底し、農薬を極力排除。遅霜対策として剪定時期や方法を工夫。
古樽やアンフォラを活用し、野生酵母による発酵で補糖・補酸を行わない。純粋で透明感のあるワインを追求する。
ソーミュールの偉大な造り手3人の一人として評価され、圧倒的な凝縮感と硬質感のあるワインを生産。
シャトー・イヴォンヌは、歴史と革新を融合させた象徴的なワインメーカーとして位置付けられています。
Saumur Champigny “La Folie”
ソミュール シャンピニ ラ フォリ
ラ・フォリは「狂った奴」を意味します。2007年に取得したLa Folie, Clos Lintier, Les Mouchards, Les Chalonges,
Les Gagneries, Les Trezellières等10以上の細かいパーセルをアッサンブラージュしたワインで、
全ての畑はソーミュール・シャンピニーの中心部に位置します。コンクリートタンクで4週間マセラシオン。
野生酵母のみ。12ヶ月フードルで熟成した後、4年間古バリックで熟成。味わいは、熟した果実の凝縮感に、
すぐりや松やにのような繊細なニュアンスが重なり合い、奥深い香りが広がります。一口含むと、
たばことビターチョコレートのほろ苦さが印象的で、カカオを思わせるしっかりとしたタンニンが全体を引き締めます。
心地よい果実味ときりりとした酸味が調和し、余韻にはほんのりとやにのような甘やかさが漂い、魅惑的な余韻を残します。
14℃前後から飲み始めグラスは、大き目のグラス、ブルゴーニュ、ボルドー型がおススメ。
牛肉や鹿肉、羊肉など赤身のお肉のグリルなど、焼いた香りのついたお肉と相性が◎
Domaine Engel
ドメーヌ エンゲル
オルシュヴィレール村に位置し、850年の歴史を持つオー・クニグスブーグ城の麓で1958年に設立されたワイナリー。現在は1995年生まれの兄弟、ジャック(畑担当)とピエール(醸造担当)が経営しています。13ヘクタールの畑のうち、8ヘクタールはグラン・クリュ「プラエラテンベルグ」にあり、残りはその周辺に広がっています。兄弟は大学卒業後、「マルセル・ダイス」や「オステルタグ」で修行し、ブドウ栽培免許を取得。オステルタグの影響を受け、ジャックは
ビオディナミ農法を採用し、2022年にデメテール認証を取得しました。2人のファーストヴィンテージは2018年。
2021年はこれまでで最高の出来だそう。ラベルデザインは友人やイタリアのアーティストに依頼するなど多様性を持たせています。ピエールは直感やフィーリングを重視してワイン造りに取り組んでいます。
Euphonie
ユーフォニー
シルヴァネール50%とリースリング50%(樹齢40年)のブドウを使用し、その美しい調和を「響きのよい音」という名前に託して作られたワインです。片麻岩質と粘土質の土壌で育ったブドウは、手摘みで収穫され、ダイレクト・プレスの後、ステンレスタンクで混醸されます。その後、15ヶ月間のシュール・リー熟成を経て仕上げられ、ノン・フィルターで瓶詰めされます。発酵には野生酵母を使用し、適度なSO2添加が施されています。このワインは、フルーティーでエレガントな口当たりが特徴で、厚みとしっかりした酸味のバランスが絶妙です。爽やかでスッキリとした後味が、さまざまな料理とよく合います。8℃前後から飲み始め、その後は室温でキープ。グラスは白ワイングラス~ブルゴーニュ型までお好みで。
パーティーの最初に出てくるような、軽めの魚介系の前菜、サーモンサンド、小海老などのカクテルなど、マヨネーズ系を使ったものとも◎
Domaine Gramenon グラムノン
Poignée du Raisins
ポワニェ ドゥ レザン 2022
A7(リヨンとマルセイユを結ぶ高速道路)をボレンヌの町で下り、そこから約1時間、田舎道を右へ左へと走ったところにミッシェルの住むモンブリゾン・シュール・レはある。市道から敷地への間道に入ると、自然にできた緑のトンネルがあり、そこを抜け出ると一面にブドウ畑が広がる…。何だか映画のワンシーンのようだ。
現在の当主ミッシッル・オーヴェリ・ローランは、1999年に最愛の夫であったフィリップを不慮の事故で亡くして以来、彼の意思を引き継ぎ、また彼女らしさを加えワイン造りに励んできた。
『グラムノン』の名前は、ワイン愛好家の中ではとても有名である。
僕自身も渡仏前に働いていたお店のハウスワイン的に使われていたのが、グラムノンだったこともあり、
一時は毎日飲んでいた時期もあったので、カーヴを初めて訪ね、ミッシェルと対面した時は、感極まり涙したことを覚えている。常勤のスタッフは2名、それ以外は季節労働者を上手に動かしながら1年間の仕事に取り組んでいる。夏はとても暑く乾燥しているが、冬はミストラルと呼ばれる強く冷たい北風が吹き荒れるため、-10℃以下になることも多い。乾燥し、風が強い利点を十分に活かし、化学肥料、農薬は使用しない。写真上にあるように、木製の醗酵層とステンレス製の醗酵層をワインごとに使い分け、醸造を進める。
基本的には除梗をせずに房を丸ごと醗酵層に入れ、炭酸ガスを充填し、ブドウを冷やし、低温浸漬でゆっくりとした醗酵を促すという醸造方法をとる。2006年ヴィンテージより、息子のマキシムもミッシェルの指導の下、ワイン造りを始めており、今後も楽しみなドメーヌである。
Poignée du Raisins
ポワニェ ドゥ レザン 2022
品種:グルナッシュ100% 植樹:若木 位置:標高350m 土壌:粘土質、石灰質樹齢30年以下のブドウを一部を除梗、セメントタンクで10日間の低温浸漬での発酵。セメントタンクで約6ヵ月熟成させる。『熟成させるよりもフレッシュさを感じられる間に飲み切るのがおすすめ』と紹介されているが、5年程度熟成をさせてもいいと思います。「ブドウをぎゅーと搾っりました」というような、果実の豊かさ、フレッシュさがありつつ、既に丸みを帯びていて、力強さの中に優しさもあるワイン。12℃前後から飲み始め、その後は室温でキープ。グラスはブルゴーニュ型が◎ 生ハムやサラミ、お肉のテリーヌなどのシャルキュトリー系や、麻婆豆腐、スパイスカレー、豚のや牛肉の赤ワイン煮込みなどと◎